ただいま留守にしております。

おもに旅のことなど

Dar Zarrouk

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物価が安いチュニジアだからこそ、なんだけど
〝高級レストラン〟に、ひょいと入るなんて、
大人になったなあ…としんみり

 

 

ずーっと後をついてくる子どもを避けるために入ったレストラン。入ると正面に大きな木が植えられた小さな中庭。それを囲むようにコの字型に建てられたガラス張りの店。右手に突き出している店内では、家族連れがソファで食事をとっていた。並行して奥に進むとバー。本当はウエイティングバーのところを、小さな子どもがいるので食事スペースにしているのかもしれない。
コの字の、へこんだガラスの扉まで行くと、黒のジャケットを着た女の子が出てきた。でもなにも言わない。まあねえ一応ワンピースだけれどひとりだし、こんなところで食事をするようには見えないかもしれない。でもこのまま踵を返しても、彼はまだ入口にいるに違いない。「メニューを見せてもらいたいんだけど…」と、レジ横の小さなテーブルで広げてみると、東京で食べるのと変わらないお値段。聞けばアルコールもあるし、カードも使えるという。外はもう真っ暗だけれど、たしかここは眺望が良いというので有名なはず。テラスあるんだよね?と聞いてみると、この時期は昼も閉めているという。そうか…じゃあランチに来ても同じか…。というわけで、結局食事をとることにした。入口右の階段をあがると、さきほど見えたバースペース、メインダイニングは入口左側。その奥にも丸テーブルが並んでいて、結婚式の二次会などできそうなかんじ。

 

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〝高級店でしか食べられない〟とガイドブックに書いてあったものに目星をつけ、一応オススメを聞いてみると、果たして同じものを薦められたので、魚と野菜の煮込み料理Kabkabouを頼む。美味しかったけれど、正直その前に出て来た、揚げものの前菜のほうが好みだったかな。デザート、たぶんBellouzaは、プリンかと思ったらカスタードクリームのようなものに、てんこもりのナッツ。甘いうえに量が多くて、これは残した。

 

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入ったときにはガラガラだった店内、19時頃からグループやカップルで賑わってきた。中庭のスペースにもテーブルが出ていて、素敵な雰囲気。アフリカとはいえさすがにすこし肌寒い10月なのだけれど、食事を楽しんでいるグループも。サービスがスローなぶん、ひとりだけれど、こちらも気兼ねなくゆっくりして店を出た。さすがにもう、彼はいなかった。
ほっとしつつ、少し緊張しつつ、初めての夜の町を、ほろ酔いで宿に急ぐ。

 

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