旅の朝散歩
旅に出ると、朝早く目が覚める。
限られた時間しかいられないそこで、
できるだけ沢山のものを見たくて。
日曜日。あの子はまた、あそこにいるんだろうか…少しドキドキしながら宿を出て、しんとした町を散歩する。10月とはいえ、昼間は半袖1枚のシディブサイド、朝のきんと冷えた空気が、きもちいい。それでも坂が多いため、数分も歩くと汗ばんできた。
まだ人が溢れる様子もないシディブサイド、オープン準備中のカフェを覗くと、掃除中のおじさんが、中に入って見ていいよ、と手招きしてくれる。昨日の夜はわからなかった、青と白の、コントラストが眩しい町。どこから来たんだ?日本は良い国だよな!そんな簡単な言葉をかけてくれるだけで嬉しくなるとともに、私は今、日本代表なんだなあ…とも、ぼんやり思う。
昨夜は人でごったがえしていた、松の実が入ったお茶で有名なカフェは、常連らしきおじさんが店員とダラダラおしゃべりしている。小上がりになった台の上にゴザが敷いてあり、そこにひょいと座ってお茶を楽しむ。頼んでいないケーキを持って来たので断るも、なんだかんだで結局食べるはめに。うん、普通。
そろそろ人が増えてきて準備が整っていく町を、
カフェからゆっくり眺める。
贅沢な日曜日。